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つまらない話ですが......

書きたいと強く思うようなことが思い浮かばず、コラムをスルーしていた。


書き始めれば、書くことは次々と出てくるものなのだけれど、なんだかどうにもつまらない。毎回おもしろいことを書くつもりもなく、週イチというノルマを課しているわけでもなく、誰に催促されるわけでもないので、まあいいかと。そういうときもあるもんだと。


新旧を比較しての話だけれど、旧ブログchayoga lifeはそれなりにおもしろかったと思う。ときどきシューの写真や出来事など見るために古いブログの記事を検索することがあり、ときにはまとめて読み返すこともあるが、我ながらけっこう笑える。


ひとつにはたぶん「人のためにならないことを書く」のがポリシーだったからだ。誰かの役に立つものを書こうと思ったらたぶんすぐに更新が滞ってしまっていただろう。ただ自分の好きなことだけを思いつくままに書いたおかげで、けっこうな頻度で更新が可能になり、定期的に見てくれる人もそこそこいた(ヨガスタジオで教えていたこともある)。


ただ、あるときからそれが薄っぺらく感じられてきた。ちょうどブログサイトの使い勝手が悪くなってきたこともあり、私的なブログからの脱却を図って「CHAZEN三昧」を始めた。できるだけヨガや仏教の話になるように、また、私個人のことも書きつつ、目線としては「CHAZEN」にシフトしようと考えたのだった。


いつまでもおふざけばかり書いていられないので、ブログをリニューアルしたことはそれでよかったと思っている。ただ、やっぱりインド思想とか仏教のことをある程度まじめに書こうとしているので、わかる人にしかわからない内容のことが増えたと思う。ちょっとすましたような雰囲気になったかもしれない。


先日のスートラクラスのコメントを聞いていると、ウケがいいのはやはり俗っぽいたとえだったりする。もちろんそれだけではなく、思想的なおもしろさや高尚な内容も含めてみなさん楽しんでくれているのだけども、コムズカシイ論理を展開しつつも、あまりに俗な表現を使うギャップがまたいいのかもしれない。


旧ブログは、何かおもしろいこと書くと次のクラスで必ず話題になるくらい読者とつながっていた。即フィードバックが返ってくるので、サービス精神旺盛になり、どんどんエスカレートしていった。それでもいちばん喜んでいたのはたぶん自分自身だろう。とにかく自分自身がシャバ風味たっぷりだったのだ。


旧ブログを始めてから17年にもなり、私もだいぶ変わった。


17年前の私はまだヨガ以前のマインドを引きずったまま、なんとかヨガ風に生きようと一生懸命だったのだなと今は思う。あのころは、それまでの生活で中心だったシャバの愉しみ=芸術方面のあらゆることがまだ自分の脳みその大部分を占めていた。ヨガライフに入る前は創作の世界にもいたので、いつも人を楽しませることを軸にものを考えていたから、引き出しもどんどん開いていたしサービス精神も旺盛だった。


しかし、創作というのはまさに「産みの苦しみ」の連続で、浮き沈みの大きい毎日でもある。同様に、好きすぎて深入りしてしまうことから、芸術の愉しみもまた苦しみと直結していることに気づいて、できるだけそこから離れるようになった。おかげで今では毎日をおだやかに、心やすく静かな気持ちで暮らせるようになり万々歳ではあるが、どこかでほんのちょっぴりお調子もののちゃみこさんをなつかしく思っていたりもする。


移住してきてから、老後モードになって芸術方面の愉しみを復活させてみるのもいいんじゃないかと少し手を伸ばし始めていた。音楽だけでなく、小説とかお芝居とか、いつかまた読んだり観たりしようとは思っていたので、楽しんだし昔に帰ることができるような気もしていた。けれど、お寺に通うようになり、やっぱり禅のほうがおもしろくてたまらない。


6月には禅の旅もあり、文学も舞台もあえなく色褪せてしまった。もちろん、観劇すればしたで楽しめることは楽しめるけれど、以前のような「のめり込む」ヤバい楽しさはもう経験できないのかもしれない。


プラクルティがいくら尽くしてくれても、うちのプルシャくんはあまりなびかなくなってきた。それよりプルシャくんは、プルシャ道をまっしぐらに歩きたいみたいだ。プラクルティはつれないプルシャの反応にも、それが自分の果たすべき目的と思って一生懸命尽くしてくれているけどね。


そんなわけで、シャバ的なおもしろみに欠ける話でも、それこそがサンガの目的であると理解していただければ浮かぶ瀬もあるというもの。(言い訳か?)


それにしても、おもしろいことを求めてしまう性分は生まれつきなので、一生治らないだろうし、何かをおもしろがっていないと生きていけないタチなのも死ぬまで続くとは思う。解脱はできないだろうから、たぶん来世でも。



早朝、お寺が開くのを待ってたら、ちっこいカエルくんみっけ。


雨上がりには出没率高し

つかまえようとしたら、蜘蛛の巣にひっかかっちゃった。


ごめんよー。いま助けに行くからなー!

カエルが苦手な人は、次の写真はみないほうがいいかもしれない。


見えちゃったら、ごめんなさい。


私にとってはもうかわいくってかわいくって、連れて帰りたいくらいなの。



......とここで玄関が開き、カエルくんを葉っぱの上に置いて坐禅に向かう、ちゃみこ60さいであった。



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